じっくり患者をケアする内科看護師の話

多くの人が体調を崩した際に訪れるのは、一般的には内科だろう。総合的な診察を行う診療科という特性もあるため、体の変調を感じた時には訪れやすい。また、病状がはっきりしている場合には、専門性を追求した内科診療科を受診する仕組みになっているのも内科の特徴だろう。例えば、消化器内科や神経内科をはじめ、眼科や皮膚科など、内科は分類すると診療領域は多岐にわたる。

そんな内科は、外科のように短期間で回復を図る診療科とは異なり中長期的視野で治療に挑むケースが多い。時にはターミナル期の患者のケアを行うこともあり、内科看護師にはメンタル面から患者を支えて行く優しさや高いコミュニケーション能力が求められる。主な仕事内容は、検温や薬剤の管理などの総合的な医師のサポートになるが、病棟では食事や衛生面の管理、排泄時の援助など、患者と直に接する機会が多いのも特徴だ。しかも、慢性的な病を抱えた患者も多く、劇的な回復を実現する治療ができないケースもあるため、患者が不安なく治療を継続できるようにするのも看護師の役目だ。また、胃カメラや大腸カメラをはじめとする検査時には、神経質になった患者を落ちつかせ、医師が安全に検査を完了できるよう手助けをしなければならない。

このように、内科の看護師は、日々多忙な仕事をこなしているが、外科のように最新医療に接する機会は少なく、患者の回復に大きな変化が見られないため、様々な処置や知識を学びたいという人には物足りなさがあるかもしれない。これから看護師を目指す人は、自身の特性を把握したうえで、診療科を選ぶようにすべきだろう。